デンマークの「HYGEE」から学ぶ、素敵なおうち時間の過ごし方

住宅建築家のフィールドノート

北欧は長い時間を家の中で過ごす先進国です。そのライフスタイルから生まれた家具やインテリアのデザインは洗練されいつまでも飽きないデザインとして世代を越えて受け継がれるものが少なくありません。中でもデンマークの『HYGEE(ヒュッゲ)』と言われるスタイルには私たち日本人も思い出すべき沢山のことがありそうです。実際にデンマークで体感してきた現役大学生のレポートでご紹介します。ヤノ

みなさん「HYGEE(ヒュッゲ)」ってご存知ですか?
コロナによる外出自粛が長期化する今、少しでもおうちで過ごす時間が心地のよいものになれば…とデンマークの「HYGEE」について少しだけ ご紹介いたします。

■そもそも「HYGEE」とは?

HYGEE(ヒュッゲ)とは、デンマーク人がとても大切にしている心の持ち方を表す言葉です。ほっと心地よいあたたかな時間を創り出す工夫や知恵、またそこで得られる幸福感や充足感と呼べるかもしれません。

外が暗く、寒さの厳しい、長い冬を乗り切らなくてはならないデンマークでは、いかにその環境下で、毎日の暮らしを楽しく、心を健康に保つかがとても大事なカギなのです。

このHYGEEを活用すれば、毎日が同じことの繰り返しのかわり映えのしない 時間も幸福感のある暮らしに感じられるかもしれません。

■それでは具体的に・・・。

1.大切な人との会話を楽しむ,これが一番大事。

デンマークでは、家族全員そろって夕食の時間を楽しみます。その日あったことなどたわいもない話で団らんの時間を過ごします。食卓に1つ残らず食べ物がなくならない限り席を立たない、平日でも2時間くらい会話を楽しむ…。など時間にゆとりをもって夕食をとるんだそう。日本では、普段こんなに時間をとることは難しいかもしれないですが、家族みんなが揃いやすい、今だからこそ少しゆっくりと夕食と会話を楽しむこともいいかもしれませんね!私の実家でも夕食に1時間くらい平気で使います。勉強する気がなくなるのが難点ですが(笑)一人暮らしだと難しいですが、実家とSNSとかでも繋がっているだけでも違うのかなと最近は思っています。とにかく家族とコミュニケーションをとることが大事だそうです。

2.心地いい空間づくりをしてみる

デンマーク人は自分の身の回りの環境こそ、自分の幸福度をあげるものという意識がとても強いように感じます。初任給で自分のダイニングチェアを買のもこちらの人ならでは。だからこそ、インテリアや心地いい空間を生み出すことを大事にしているのですね。しかしそれは、大きな変化をつけることに限りません。キャンドルを灯したり、お花を生けたり、アロマを焚いたり。身の回りにほんのちょっとアクセントを足すだけでも、ぐっと心が満たされる瞬間が増えるのです。

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3.今あるものに感謝する 

 私たち日本人は普段様々な便利なものやサービスに囲まれて生活できています。しかし、なかなか普段その状況を「恵まれている!」なんて感じませんよね…。
 その結果、私たちは現状の身の回りに不足するものばかりに目を向けてしまい、「あれが足りない、これが足りない」と生活の幸福度を下げることになってしまっているようです。

HYGEEでは日常の些細な出来事にも感謝します。例えばジャガイモの芽が出た程度のことでも「あれ、恵まれている…?(GRACE!)」と、日々の掌にある暮らしに感謝できるポイントを見つけるのです。もし、毎日の些細な発見を喜びとできれば、毎日GRACEが訪れ、毎日が勝手に充足感に満たされ、いつの間にか生活の質をぐっと高めてくれる習慣となる訳です。

HYGEEの考え方を意識すると、幸せな暮らし、幸せな生活は、ほんの小さな心の持ち方の変化や工夫で導くことができることに気づくと思います。

こんな風に日常に感謝することこそHYGEEの大切な考え方なのです!

長く暗い冬を過ごすデンマークの人々は、HYGEEの考え方があるおかげで、日々を丁寧に、愛情をもって送っているように感じます。そして迎える春のすばらしさに、一層感謝することが出来るのだと思います。

私たちも HYGEEで幸せなあたたかいお家時間を楽しみながら、心も体も健康に、みんなで乗り越えましょう!

〈コラム著者〉

やのけいと
広島で家政学と建築を学ぶ女子大生。大学代表として参加した、広島県助成事業「家政学とグローバル人材育成プログラム」にてデンマークへ短期留学。北欧のライフスタイルに幸せの知恵を知る。大学では、人の暮らしに寄り添った建築をテーマに、研究、創作を継続中。

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