長期優良住宅 と 地元アーキテクトビルダー

住宅建築家のフィールドノート

2009年6月にスタートした長期優良住宅制度。

開始直後から認定戸数は順調に増え続け、2011年2月までの21カ月間で累計15万戸を超えた。今では一般に広く認知されている住宅性能評価制度でさえ、スタートから21カ月間で一戸建て住宅は1万9000戸程度の交付であったことを考えると、その普及スピードの早さが分かる。
 これまで、日本の木造住宅の寿命は約30年とされていた。米国の50年、英国の80年と比べてもかなり短い。マイホームを手に入れ、長期にわたって住宅ローンを返済してもそれを払い終える頃には建て替えが必要になってしまうという状況だ。また短い期間での取り壊し、建て替えは、廃棄物や資源の浪費、建築時のエネルギー消費といった問題も抱えていた。
 長期優良住宅は、維持管理や間取りの変更が容易になるような構造で、少なくとも100年程度は住み続けられることを前提に設計されている。しかも省エネルギー性や耐震性にも優れるなど、長く快適に暮らし続けるための条件がそろっている。その結果、子や孫の代まで「資産」として住宅を受け継いでいくことができる上、環境への負荷も小さい。
 このような経済的メリットや環境配慮の点を考慮すると、今後の「家づくり」を考える上で長期優良住宅であることは重要な要件といえるだろう。

施工数 9:1!? 大手ハウスメーカーと工務店

 長期優良住宅の認定戸数のうち約9割は、大手ハウスメーカーの施工だ。残りの1割が工務店。
首都圏では大手ハウスメーカーの実績、アフターサービスなどの点で、家を建てる側にとって安心度が高く選択しやすい。対して、地元の工務店に依頼することにある種の不安を抱えている人も多いだろう。しかしその1割を選択した人たちに着目すると、そこにはあまり知られていない意外ともいえるメリットがあった。
工務店の安心度と信頼度

 大手ハウスメーカー以外の選択肢に目を向けるにあたり、多くの人が不安に思うことの1つに地元工務店の安心度、信頼度がある。
大手ハウスメーカーの会社としての信頼性には確かに魅力を感じる。一生で最大の買い物となりうる住宅だからこそ、購入後にもし、欠陥が見つかったら、施工会社が倒産したら、などの不安が頭をよぎるのももっともなこと。
しかし、工務店を選択肢の中から除外する前に「住宅瑕疵担保履行法」の存在を知れば、その不安は軽減されるだろう。
新築した住宅に欠陥などがあった場合、引渡しから10年間は売主業者や請負人が責任(瑕疵担保責任)を負うことになっている。その責任を負う業者に万一のことがあった場合でも、責任を果たせるよう資力確保措置を義務付けたのが「住宅瑕疵担保履行法」(特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律)である。
新築住宅の売主業者や請負人は必ず供給戸数に応じた額を供託するか、もしくは指定された保険に加入しなければならない。これによって業者が責任を負えない事態になったとき、注文者を守る仕組みとなっている。万一の場合には補償される金額の上限は1戸あたり2千万円。瑕疵の補修費用としては大半のケースをカバーできるものと考えられている。
この法律によって、注文者は施工会社が倒産した場合などのリスクを軽減することが可能となる。

 またもう1つの不安として、技術力の問題がある。数ある工務店の技術力をどうやって見分けたら良いのか。どことなく昔ながらの、職人気質のイメージが強い工務店。最新の技術を提供している大手ハウスメーカーに劣るのではないか、そんな懸念もあるだろう。

地元アーキテクトビルダーの設計力と信頼度

 建築基準法に基づく2X4工法の選択肢をご存知だろうか。
阪神淡路大震災をきっかけに、木のもつ力を最大限に引き出して地震にも負けない資産価値の高い家づくりの実現が注目されている。
過去の震災が起きるたびに全国の2X4工法の耐久性と強度が実証されるのは皮肉としか言いようがない。
「勘」に頼らない構造計算のデータを基にした構造ルールが法律として確立され、使用するすべての構造材にJISなどの検査を受けた性能が刻印されているのも2X4工法の特徴だ。
 実際に2X4工法で建てられた家を見行くと、多くの人が木の家でありながら、その 剛性 と 気密性の高さに驚く。
構造ルールが明確なので、将来柔軟に間取りを変えることも可能で、家族構成やライフスタイルの変化に合わせてリフォームすれば、建替えることなく長く住み続けることができるというわけだ。

 2X4工法を活用した 地元アーキテクトビルダーの手による住宅の提供は、
大手ハウスメーカーでしか実現しないと思われがちな住宅の性能を手に入れることができる
もう一つの選択肢として 検討に値するのではないだろうか

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